千葉のモノづくり企業がなぜ海外でも成功した？ある専門メーカーの物語

三意　社員に期待すること

蟹瀬今後社員の方々にはどういうふうになっていただきたい、という思いがあるんですか？

安田やはり「アレ？」と思うような「気づき」を自ら改善しにいくということ。それと、仲間にすぐ相談するということができる人材をしっかり育成していきたいのと、基本は明るく元気で仕事に一生懸命取り組むという人材を育成していきたいです。ぜひ、意欲を持った人に来てもらいたいなと思っています。

蟹瀬やっぱり従業員が元気になると企業力自体も向上してきますよね？

安田はい。従業員が成長していく＝企業が成長していく、というところに繋がってくると思います。日頃から「熱意」を持って、それとお客さんに届ける製品に「誠意」を持って、それとうまく作れる「創意」を持つという「三意」を持って世界のモノづくりをしっかり支えていく担い手になっていただきたいと思っていますね。

中期を見る　社長就任

ドーキンズさて、安田社長のプロフィールを拝見しますと、大学をご卒業後、大同特殊鋼に入社されています。入社後はどのようなお仕事をされたんですか？

安田最初は物流をスムーズに行う生産管理の仕事の場に配属されました。その後、営業に行きまして、大阪、それから東京、また工場に戻ったりとかして3年ごとぐらいに異動していました。

蟹瀬この2016年にグループ会社、下村特殊精工ですね。こちらの社長に就任された。ご自身はいずれ社長になるというふうには思われていました？

安田営業出身の人間がこういうモノづくりの会社の社長という立場になるというのは、なかなか発想出来てなかったですね。

蟹瀬晴天の霹靂だったんですね？

安田ええ、そうですね。

蟹瀬ご自身ではどのあたりが評価されて抜擢されたと思いますか？

安田明るいことじゃないですかね？それ以外はやっぱり経営企画部というところも
経験させてもらいまして、そういう点がやはり社長という位置づけになるかなと思います。

会社の成長のために

蟹瀬今後これから会社をさらに成長させていく、ということになると思うんですけれども、そのためにはどういう取り組みを今お考えなんですか？

安田読めない世の中になってきてますんで、あまり遠くを見てもあれですけど、身近な中期ぐらいを常に眺めながら、毎年毎年その中期を見直しながら、常に足元の1年が終わったら先の2年というように見ていくのが大切かなと。それが変化についていけることになるのかなと。

蟹瀬変化に対応するためにはやっぱりそういう先読みの目も必要だと思いますね。

歴史の中で培ってきた経験と技術を未来へと繋ぐ。これからも全社員が一丸となり、「最高のモノづくり」に挑み続ける。それが、下村特殊精工が進むべき道。

Leader’s Choice

ドーキンズさて、番組ではLeader’s Choiceと題しまして、選択の基準、敬愛の人、賢者の文の3つの中からカードで1つ選んでお話いただきたいと思います。それでは安田社長、よろしくお願いします。

安田「敬愛の人」になります。

蟹瀬安田社長にとって敬愛の人はどなたですか？

安田私は本田宗一郎さんと藤沢武夫さんという、そのお二人の名前をあげたいなと思っております。

蟹瀬本田さんといえば、モノづくりの天才と言っても過言ではないと思いますけど。

安田ホンダらしさというんですかね、非常に革新的で面白いモノをつくるというところの技術の天才の本田さんを販売の藤沢と言われる方が支えていった、というところがありまして、技術が優れているがゆえに、どんどん面白いものを本田さんが作りに行っちゃうので、またそれがヒットしますと会社が大きくなっちゃった。
ちょうどそういうタイミングで藤沢さんと出会いまして、藤沢さんがそういう「あなたは物を作ってなさい。私はその周りをしっかり固めます」やっぱりこの2人のペアリングが非常によかったと思いまして。やはり結果として今のホンダがあるのかなというふうに思っています。
コンビネーションが非常に良いバランスで取れているところが企業をとして成長をしていきますし、基盤をしっかり作り上げられてきてるのかなと。

蟹瀬御社の場合も言ってみればそういうケースじゃないんですか？

安田特殊鋼というのは、素材に工程でどんどん付加価値を作っていくんですけれども、品質そのものというのも大切なってきまして、大同特殊鋼という素材を研究をする部署と、当社のさらに付加価値を高める会社というのが補完し合いながら今後も良い製品を届けていけるようになるんじゃないかと思います。