農業でもゲームチェンジ、1粒1000円イチゴ実現


時代刺激人

牧野 義司まきの よしじ

経済ジャーナリスト
1943年大阪府生まれ。
今はメディアオフィス「時代刺戟人」代表。毎日新聞20年、ロイター通信15年の経済記者経験をベースに「生涯現役の経済ジャーナリスト」を公言して現場取材に走り回る。先進モデル事例となる人物などをメディア媒体で取り上げ、閉そく状況の日本を変えることがジャーナリストの役割という立場。1968年早稲田大学大学院卒。

勝てないゲーム続けても日本農業に未来はない

岩佐さんの農業に対するゲームチェンジの視点が興味深い。東北でも有数のイチゴ産地だった山元町を再生し「未来にわたって豊かなイチゴ産地」とするには勘や経験に頼る小規模ハウス栽培のビジネス構造では限界がある。勝てないゲームを続けていては日本農業に未来はない。ならばゲームのルールを変え、生産革命が必要、と判断した、という。

ポイントは、ITの先端技術を駆使した農業だ。イチゴ生産に必要な温度、湿度、日照時間、肥料の溶液濃度や水分度合いなどの生産情報をITセンサーでリアルタイムに集め、データベース化していく。それらのデータをもとに最適生産状況は何か、そのための数値コントロールをどうするかなどを調べ、次第に品質を標準化していった、という。

職人技とIT先端技術の融合を強みに

岩佐さんの経験年数の少なさを補ったのが、イチゴ生産のプロ技を持つ年配の橋元忠嗣さんだ。復興現場で知り合いGRA経営パートナーに委ねた橋元洋平さんの親戚だが、岩佐さんは、職人的な匠の技とIT先端技術の融合をGRAの「強み」にしようと考えたという。

「職人技の暗黙知を形式知化し、IT技術で品質に磨きをかけること、それと計画・実行・評価・改善のPDCAサイクル精度を上げることで、イチゴの品質の標準化が可能になり、安定的に生産する体制もとれるのです。味のよさで付加価値に高め、ブランディングなどマーケッティング手法を加えれば、消費者評価は上がります。こういった形で日本農業全体のゲームチェンジを行えば、農業の成長産業化は十分に可能です」と岩佐さんは語る。

マーケッティングなどで付加価値向上

イチゴの品種にもよるが、スーパーなどでワンパック400円~600円が平均的な販売価格だ。ところがGRAのイチゴのうち、特上のものはMIGAKI-ICHIGOのブランドネームで、何と1粒1000円という価格で伊勢丹デパート東京新宿店の食品売り場で売りに出され、消費者の評価もいい、というから驚きだ。
岩佐さんによると、その高価なイチゴはGRAの戦略的商品ながら、売上高の1%でしかない。でも、バイヤーの伊勢丹担当者が、味や品質のよさから「売れるぞ」とアドバイスしてくれ、その価格になったそうだ。半信半疑の岩佐さんが当初、売り場見学に行った際、100円に見えて「安すぎる」と不満そうにしたものの、もう一度見たら、ゼロが1つ多くついていて、逆に、今度は「こんな価格で買ってくれるだろうかと思った」ともいう。

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